今年90本目「ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ」

「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~」公式シネマ鑑賞読本

「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~」公式シネマ鑑賞読本

監督:根岸吉太郎
原作:太宰治
出演:松たか子浅野忠信室井滋伊武雅刀広末涼子妻夫木聡堤真一
製作国:2009年日本映画
上映時間:1時間54分
視聴状態:映画館
公式サイト
http://www.villon.jp/


screenshot
PGー12(12歳以下は保護者同伴)
★★★★☆ 4/5 (星4つ)


(物語)
人気作家の大谷は、稼いだお金をすべて酒や女に使ってしまい、
家に持ち帰らず、妻の佐知は2歳の息子と貧乏暮らし。
酒と女にあけくれ苦悩し放蕩する大谷を
妻の佐知はほほえみながら支える。
第33回モントリオール世界映画祭で監督賞を受賞。


(感想)
原作は未読です。
浅野忠信さんの演じる作家の大谷があまりのダメ夫で、
見ているとせつなくなるほどでした。
浴びるように酒を飲み、そこら中の女性に手をつける。
その上、二枚目。
一番最初に誰もまねができないほどの親切をして、
相手をぐっとひきつけ、その後はひどく迷惑をかけるということを
たぶん本人も気がつかないうちに誰もに行っている人なので、
たちが悪い。でもにくめない。
人生の苦悩を文章に転化する才能だけに秀でている大谷。
大谷を悪人にせず、浅野忠信さんは魅力的な人物に演じていました。
(自分の夫ならがまんできませんが)

そんな大谷を信じて、愛して支える妻、佐知。
美しく、けなげで強い佐知に完全に感情移入してしまい、
見終わって口がきけないほどでした。


出てくる人物たちの話し方が現代とは違って、
この時代をきちんと反映した話し方でした。
常に時代を感じさせてくれる演出がすばらしいです。


実際にこんな奥さんはいないでしょうから、
夢物語ですね。