今年59冊目「西の魔女が死んだ」

西の魔女が死んだ

西の魔女が死んだ

読みながら映画のシーンがよみがえり、
あの素敵なおうちで自分も過ごしているようでした。
映画で疑問に思っていた部分も本を読んで納得でき、
本当に読んで良かったです。
まいのお父さんが「死」について話したことの続きが、
この本にはありました。
本の中には、映画にでてこなかった、
素敵なセリフやシーンがいっぱい。
銀龍草(ぎんりゅうそう)のエピソードを
どうして映画に出さなかったのか、
不思議でなりません。
そして映画を見て「どうしてこれが魔女修行なの?」って
思った人にもこの本を読めば納得できると思います。
本にはちゃんと魔女修行について書かれています。


ありがたいことに、
生まれつき意志の力が弱くても、
少しずつ強くなれますよ。
少しずつ、長い時間をかけて、だんだんに強くしていけばね。
(中略)
最初は何にも変わらないように思います。
そしてだんだんに疑いの心や、怠け心、あきらめ、
投げやりな気持ちが出てきます。
それに打ち勝って、ただ黙々と続けるのです。
そうして、もう永久に何にも変わらないんじゃないかと思われるころ、
ようやく、以前の自分とは違う自分を発見するような出来事が
起こるでしょう。
(中略)
それの繰り返しです

いちばん大事なことは自分で見ようとしたり、
聞こうとする意志の力ですよ。
自分で見ようともしないのに何かが見えたり、
聞こえたりするのはとても危険ですし、不快なことですし、
一流の魔女にあるまじきことです。

上の引用は両方ともおばあちゃんである西の魔女の言葉です。
幸福で満ち足りて幸せな魔女になる方法を読んだのは初めてで、
とてもうれしく思い、疑問が溶けていく心地よさがありました。


映画の美しい緑と素敵なおうち、やさしげで強いおばあちゃんの姿、
そして本の中の珠玉な言葉たち。
映画と本と両方で「西の魔女が死んだ」は
私の中で光り輝く存在になりました。


私が読んだのは単行本なのですが、
文庫には
西の魔女が死んだ」の後日談。
「渡りの一日」も掲載されているとのこと。
(supiritasuさんのはてなより↓)
http://d.hatena.ne.jp/supiritasu/20080809
文庫も読もう。

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)