あき@みらくるの映画日記今年83本目「ヴィタール」


ヴィタール(2004/日本)★★★☆☆(普通)
監督:塚本晋也(「鉄男」「六月の蛇」)
86分
出演:浅野忠信、柄本奈美、KIKI、岸部一徳國村隼串田和美、りりィ、木野花
公式サイト
http://www.vital-movie.com/


塚本晋也監督は、日本よりも海外で人気がある、
有名な監督です。
2004年ベネチア国際映画祭での特別招待作品です。


(物語)
交通事故で記憶をなくした青年(浅野忠信)は、
医学書だけに興味を示し、大学の医学部に入学。
2年生の解剖実習の授業をきっかけに次第に記憶が戻り、
現実と別世界を行き来し、解剖にとりつかれていく。


解剖のシーンが延々と続きます。
何かを食べながらのんびり見ることはできない映画です。
人の体を切り取ったりするシーンの連続です。
現実の世界はどこも廃墟のようにすさんで汚れて
退廃に満ちています。
別世界は生命にあふれ、緑や自然が美しいです。
本来の生の世界がかすんでいて、
死の世界が美しくリアルなのは、
コープス・ブライドみたいだと思いました。


塚本晋也監督の映画は全部見ていますが、
この映画は非常にオブラートに包まれている印象を受けました。
女優さんの顔がつぶれるほど殴り合う暴力シーンや、
目を背けたくなるほどの異様さ、エロスのシーンが
この映画にはありませんでした。
塚本晋也監督の廃墟感覚が非常に好きなのですが、
いつも異様な世界観にひきずられないように、
心して見る必要があるのです。
しかし、この映画は最後まで大丈夫でした。
静かで、ゆっくりと体が切り取られていく、
体が浮遊して異世界へ行ってしまうそんな不思議な映画でした。
究極の愛を感じました。